小学生が英検の教材でつまずくのは、英語より日本語かもしれない漢字がむずかしくても大丈夫
1. 英語ではなく、解説文で止まっている1.英語じゃなくて説明で止まる
英検の2級以上は、本来は高校生以上を想定した級です。そのため教材や添削の解説も、大人向けの日本語で書かれているのが普通です。小学生が挑戦する場合、英文そのものは読めているのに、解説の日本語で手が止まるという状態が起こります。
たとえば要約問題の解説には、次のような語が当たり前に出てきます。構成/語彙/抽象化/論旨/簡潔/冗長/言い換え/主張。どれも小学校では習わない言葉です。読み方が分からなければ意味も推測できず、結果として「英語が難しい」ではなく「何を言われているか分からない」で止まってしまいます。
見分け方は簡単で、解説を保護者が読み上げたときに子供が「ああ、そういうこと」と進めるなら、原因は英語ではなく日本語です。この記事では、その日本語の壁を外す方法を扱います。
英検の2級からは、高校生むけの言葉で説明されるんだ。「構成」「語彙」みたいな言葉は、小学校では習わないよね。
2. 保護者が読み上げると、学習が止まる2. おうちの人が読んであげると…
対処として、保護者が横について解説を読み上げる家庭は多いはずです。ただしこの方法には、保護者の在宅時間しか学習が進まないという制約が付きます。毎日1本を続けたくても、大人の予定に縛られてしまいます。上位級を目指すほど期間が長くなるため、この制約は効いてきます。
もう1つの副作用は、読み上げに慣れると子供が自分で解説を読もうとしなくなることです。「分からない語は飛ばして、分かる部分から意味を組み立てる」読み方は要約でも必要な力で、解説を自力で読む経験はその練習にもなっています。
おうちの人が読んでくれると助かるけど、いそがしいときはできないよね。じぶんで読めるようになると、いつでも勉強できるよ。
3. キッズモードでできること(ルビ・言い換え・配色)3. キッズモードでできること
本アプリにはキッズモードがあります。切り替えはマイページから行え、いつでも元に戻せます。できることは3つです。
- 漢字にふりがな(ルビ): 画面上の漢字にふりがなが表示されます。読めない漢字で止まることがなくなり、辞書を引く回数が減ります。
- やさしい言い回し: 説明文そのものが小学生向けの表現に切り替わります。「具体例は抽象化する」は「細かい例は書かないで、まとめて言う」、「筆者の主張を歪めずに」は「書いた人が言いたいことを変えないで」といった調子です。
- 配色テーマ: 緑・ピンク・青・オレンジ・白から画面の色を選べます。学習が続くかどうかは「毎日開く気になるか」に左右されるため、本人に選ばせて自分の画面にしてしまうのは、地味ですが効果があります。
重要なのは、ふりがなが付くだけでなく、文そのものがやさしく書き直される点です。「抽象化(ちゅうしょうか)」と読めても、抽象化の意味が分からなければ同じことです。読みと意味の両方を揃えることで、初めて一人で読み進められます。
このアプリには「キッズモード」があるよ。ボタンをおすと、漢字によみがながついて、言葉もやさしくなるんだ。がめんの色も、みどり・ピンク・あお・オレンジ・しろからえらべるよ。
4. 実際の添削コメントは、こう変わる4. コメントはこう変わる
2級の要約問題を例にします。原文が「多くの学校が制服を採用している。制服は朝の服選びの時間を減らし、家庭の経済的な差を見えにくくする。一方で、個性を表現する機会を奪うという批判もある」という趣旨の英文だったとして、子供が次のように書いたとします。
Many schools have school uniforms. Uniforms save time in the morning and hide differences between rich and poor families. However, some people say uniforms take away the chance to show who you are. (33 words)
(多くの学校に制服がある。制服は朝の時間を節約し、裕福な家庭と貧しい家庭の差を隠す。しかし、制服は自分らしさを見せる機会を奪うと言う人もいる。)
内容はよく取れていますが、2級の要約は45〜55語が目安なので語数不足です。この答案への同じ指摘を、大人向けの解説の言い方と、キッズモードが目指すやさしい言い方で並べてみます。
- 大人向けの言い方: 「語数が指定範囲を下回っています。第2文の2つの利点を、それぞれ理由を補って展開してください。また rich and poor は原文の表現の丸写しに近いため、economic differences のように抽象化した言い換えを検討しましょう。」
- やさしい言い方: 「45〜55語まで、あと12語以上ふやそう。2つ目の文の『いいところ』を、『どうしていいのか』もつけて書いてみて。rich and poor は元の文と同じ言い方だから、economic differences(お金のちがい)みたいに、ちがう言い方にできるかな。」
伝えている内容は同じです。違うのは、「指定範囲」「展開」「丸写し」「抽象化」といった語を使わず、次に何をすればよいかが動作として書かれている点です。小学生が一人で読んで手を動かせるのは後者です。
キッズモードだと、「あと12語ふやそう」「どうしていいのかもつけて書いてみて」みたいに、つぎに何をすればいいかが分かるように書いてあるよ。
5. どの学年・どの段階の子に向いているか5. どんな子に合っている?
キッズモードは年齢で制限されるものではなく、「解説の日本語で止まる子」全員に向いています。目安として、次の条件に当てはまるかを確認してください。
- 英語の条件: 英検の原文を辞書を使いながら読み取れ、自分の言葉で英文を3〜4文書ける。ここが満たせていなければ、先に準2級・3級レベルの読み書きを固めるほうが早道です。
- 日本語の条件: ふりがな付きなら、小学校中学年程度の説明文を一人で読める。低学年でも読めるなら問題ありません。
- 入力の条件: ローマ字入力ができなくても構いません。紙に手書きした答案を撮影して読み取れるため、キーボードが打てないことは障害になりません(読み取りはログインなしで月2枚、ログインすると月4枚まで無料)。
級で言えば、小学生が現実的に狙うのは2級までが中心です。準1級・1級は語数が増えるだけでなく、社会問題や経済といったテーマの背景知識が求められます。ふりがなで日本語の壁は外せますが、テーマの理解は日々の会話やニュースで補う必要があります。中学生で漢字が苦手な場合も、そのまま使い続けて問題ありません。
英語の文を読めて、3つか4つの文を書けるなら、キッズモードでやってみよう。キーボードが打てなくても、紙に書いて写真をとれば大丈夫だよ。
6. 親子で回す「20分セッション」の進め方6. 20分でやる流れ
最初の数回は保護者が横につき、その後は子供一人で回せる形に移行するのが理想です。1回20分の流れの例です。時間は目安で、要約1本を想定しています。
- 0〜2分・準備: マイページでキッズモードと好きな色になっていることを確認し、練習をはじめるから級を選ぶ。原文はAIに生成させるか、前回の問題を使う。今日の語数(2級なら45〜55語)を子供に言わせる。
- 2〜12分・書く: 紙かキーボードで答案を書く。保護者は口を出さず、時間だけを見る。10分で終わらなくても一度区切る。
- 12〜14分・入力と提出: 紙なら撮影して読み取り、読み取りの誤りだけ直して添削を実行する。
- 14〜18分・結果を読む: 子供が自分で声に出して読む。保護者は「一番低かったのはどれ?」「次に何をすればいいって書いてある?」の2つだけ聞く。
- 18〜20分・ひとこと書き直し: 指摘のうち1つだけを選び、その文だけをその場で書き直す。全部の書き直しは次回に回す。
2〜3回一緒にやれば子供は手順を覚え、以降は保護者が不在でも進められます。結果は履歴や通知メールで後から確認できます。
きめる(2分)→書く(10分)→出す(2分)→読む(4分)→1つだけ直す(2分)。この20分をおぼえれば、ひとりでもできるよ。
7. よくあるつまずきと直し方7. よくあるこまったこと
- Before: ふりがなは読めるが、模範解答の英文が難しくて写すだけになる。
After: 模範解答は全文を読ませず、「自分の文と一番違う1文」だけを探させる。写すのではなく、その1文の言い方を次回の答案で真似させる。 - Before: 指摘が多すぎて、どこから直せばいいか分からず泣く。
After: 直すのは1回に1つと決める。4観点のうち一番低いものに関係する指摘だけを選び、他は次回に回す。 - Before: 日本語の壁は消えたが、テーマ(環境問題、テクノロジーなど)を知らず内容が書けない。
After: これはキッズモードでは解決しません。夕食のときにニュースの話題を1つ話す、子供向けの新聞を読むなど、日本語で背景知識を入れる時間を別に作ります。 - Before: 保護者がつい英語の内容に口を出し、親子げんかになる。
After: 英語の正誤はAIの領分と割り切り、保護者の発言は「時間」「語数」「一番低い観点」の3つに限定する。
直すところがたくさんあってこまったら、1回に1つだけでいいよ。模範解答は、じぶんの文といちばんちがう1つの文だけさがそう。
8. 明日からの練習法8. あしたからの練習
まず今日、マイページでキッズモードをオンにし、色を子供に選ばせてください。次に、20分セッションを週2〜3回、同じ曜日・同じ時間に固定します。最初の2回は保護者が横につき、3回目からは「終わったら結果を見せて」だけにします。
1週間たったら、ダッシュボードのカレンダーを一緒に見て、次の週の曜日を子供に決めさせます。解説の日本語で止まらなくなれば、学習の主導権は子供に移ります。保護者の関わり方の全体像は親が英語を教えられなくても、英検ライティングは家庭で対策できるで詳しく扱っています。
きょう、キッズモードにして、すきな色をえらぼう。1週間に2〜3回、同じようびにやるときめてね。
9. まとめ9. まとめ
- 小学生が2級以上の教材で止まる原因は、英語より「構成」「抽象化」などの解説の日本語であることが多い。
- 保護者の読み上げは、保護者の在宅時間にしか学習が進まないという制約を生む。
- キッズモードは、ふりがな・やさしい言い換え・配色の3つで、一人で読んで手を動かせる状態にする。読みと意味の両方を揃えることが要点。
- 向いているのは「英文は読み書きできるが日本語の解説で止まる子」。テーマの背景知識は別に補う。
- 20分セッション(きめる→書く→出す→読む→1つ直す)を週2〜3回、同じ曜日に固定して回す。
よみがなとやさしい言葉で、ひとりで読める。20分の流れをおぼえて、つづけていこう。