英検2級要約の攻略ポイント2級に合格するコツ
1. 2級の要約問題はどんな問題か1. 2級の問題ってどんなもの?
英検2級のライティングは、2024年度第1回から「要約問題」と「意見論述」の2題構成になりました。要約問題では、150語前後の英文(3段落構成が基本)を読み、その内容を45〜55語の英語でまとめます。意見論述と違って自分の考えを書く問題ではなく、「筆者が言ったことを、短く正確に伝え直す」問題です。
原文のテーマは、高校生でも背景知識なしに読める身近な社会的話題が中心です。たとえば「在宅勤務」「電子マネー」「学校での端末利用」「観光客の増加」「地域のボランティア活動」のように、日常生活と社会がつながる題材が選ばれやすく、専門用語はほとんど出てきません。段落の流れは「ある事柄の紹介 → その良い点 → 一方で問題点(または今後の課題)」という型がよく見られます。
- 語数: 45〜55語(このツールの添削基準)。40語を切ると内容不足、60語を超えると圧縮不足と見られやすい。
- 文の数: 3〜4文。1文あたり12〜16語がちょうどよい。
- 時間: 筆記85分の中で、要約は15〜20分で仕上げる。残りの時間を意見論述と読解に回す。
- 採点: 内容・構成・語彙・文法の4観点、各0〜4点の16点満点。
試験形式は改定されることがあるので、最新の実施要項は英検公式サイトで確認してください。
2級のまとめ問題は、3つのまとまりがある英語の文章を読んで、45〜55語で短く書き直す問題だよ。自分の考えは書かなくていいんだ。
2. 「3段落=3文」の型で書く2. 3つのまとまりを3つの文にしよう
2級でもっとも安定して点が取れるのは、原文の段落の数と要約の文の数をそろえる書き方です。第1段落から1文、第2段落から1文、第3段落から1文。これで3文、およそ40〜45語になります。あと5〜10語ぶんは、3文目に結論(原文が示している今後の見通しや対策)をつけ足すか、2文目と3文目をつなぐ接続詞で調整します。
- 1文目(導入): 「何が起きているか」を一般化して書く。時期や場所の細かい情報は削る。
- 2文目(良い点): 原文の利点を1〜2個まとめる。具体例(for example 以降)は入れず、その具体例が示している「意味」だけ残す。
- 3文目(問題点): However で始め、問題点を1〜2個まとめる。原文が「そのため〜という動きがある」と締めていれば、それをつなげて書く。
各段落の要点を選ぶときのヒントは、段落の先頭の文(トピックセンテンス)です。2級の原文は先頭の1〜2文に言いたいことが置かれ、その後に具体例や補足が続く構造が多いので、まず先頭の文に印をつけ、後半は「例か補足か」を確かめるだけで骨組みがつかめます。
文章の1つ目のまとまりから1文、2つ目から1文、3つ目から1文。この3文で書くのがいちばんかんたんだよ。まとまりの最初の文に大事なことが書いてあることが多いよ。
3. 実例:原文 → 模範要約 → 惜しい要約3. じっさいの例を見てみよう
2級レベルの原文を1本用意しました(約160語、3段落)。まず自分で45〜55語にまとめてから、下の2つの要約と比べてみてください。
In recent years, bike-sharing services have appeared in many cities around the world. People can rent a bicycle from a station near their home or office, ride it to their destination, and leave it at another station. These services are usually cheap, and users can pay with a smartphone app.
Bike-sharing has several advantages. Because more people choose bicycles instead of cars for short trips, traffic jams and air pollution in city centers can be reduced. Moreover, riding a bicycle is good exercise, so it helps people stay healthy without going to a gym.
However, there are also problems. Some users leave bicycles in the wrong places, such as on narrow sidewalks, and this can be dangerous for pedestrians. In addition, bicycles are sometimes damaged or stolen, and companies must spend a lot of money to repair or replace them. For these reasons, some cities have started to make stricter rules for bike-sharing companies.
(訳)近年、世界の多くの都市で自転車シェアリングが登場した。自宅や職場近くのステーションで借り、目的地まで乗って別のステーションに返す。料金は安く、アプリで支払える。/利点はいくつかある。短距離の移動で車の代わりに自転車を選ぶ人が増えるため、都心の渋滞と大気汚染を減らせる。さらに運動になるので、ジムに行かずに健康を保てる。/しかし問題もある。狭い歩道など不適切な場所に放置する利用者がいて、歩行者に危険がある。破損や盗難もあり、企業は修理や交換に多額の費用をかけている。こうした理由から、一部の都市では事業者への規制を強め始めた。
模範要約(49語)
Bike-sharing services, which let people rent bicycles cheaply through an app, have spread in many cities. They can reduce traffic and pollution and help users exercise. However, badly parked bicycles endanger pedestrians, and damage and theft cost companies money, so some cities have introduced stricter rules for these companies.
(訳)アプリで安く自転車を借りられる自転車シェアリングが多くの都市に広がった。渋滞や汚染を減らし、利用者の運動にもなる。しかし放置自転車は歩行者に危険で、破損や盗難は企業の負担になるため、一部の都市は事業者への規制を強めた。
3段落を3文に対応させ、各段落の利点・問題点を「2つずつ」拾っています。「station near their home or office」「narrow sidewalks」「gym」といった具体例はすべて落とし、その代わり「cheaply through an app」「badly parked」「cost companies money」のように短い言い換えで意味だけを残しています。
惜しい要約(50語)
Bike-sharing services have appeared in many cities around the world. People can rent a bicycle from a station near their home or office. It is cheap. Bike-sharing has several advantages, for example it is good exercise. However, some users leave bicycles in the wrong places, such as on narrow sidewalks.
語数は50語で範囲内ですが、点を落とす理由が4つあります。第一に、ほとんどの文が原文の丸写しで、語彙の観点で自分の言葉に直した形跡がありません。第二に、第1段落の細部(ステーションの場所)に語数を使った結果、第2段落の「渋滞・汚染の削減」、第3段落の「破損・盗難と企業の負担」「都市の規制強化」が抜けており、内容の観点で大きく減点されます。第三に「It is cheap.」のような3語の文は前後とつながらず、構成の評価を下げます。第四に、要約に具体例(narrow sidewalks)をそのまま残しています。要約で求められるのは具体例ではなく、その例が指している一般的な内容です。
上の英語は、みんなで自転車を借りて使う「シェアリング」の話だよ。いいまとめは、「何の話か」「いいところ」「こまるところ」を1文ずつ書いているね。おしいまとめは、文章をそのまま写していて、こまるところが半分しか書けていないんだ。
4. 2級で求められる語彙・文法のレベル4. どんな言葉を使えばいい?
2級の要約で難しい単語を使う必要はありません。求められているのは「原文の表現を、自分が確実に使える別の表現に置き換える」ことで、高校の教科書レベルの語彙で十分です。うろ覚えの難語でスペルや用法を誤ると、語彙と文法の両方で減点されます。
| 原文の表現 | 要約での言い換え | ポイント |
|---|---|---|
| traffic jams and air pollution can be reduced | reduce traffic and pollution | 受動態を能動態にして短く |
| some users leave bicycles in the wrong places | badly parked bicycles | 文を名詞のかたまりに圧縮 |
| companies must spend a lot of money to repair them | cost companies money | 主語を入れ替えて動詞1語で |
| people who live in cities | city residents | 関係代名詞節を名詞に |
| more and more people | a growing number of people | 定番の言い換えを暗記 |
文法面では、関係代名詞(which / that)で2文を1文にまとめる、接続詞 so / because で因果をつなぐ、Moreover / However / Therefore で文頭を整える、の3つが使えれば十分です。分詞構文や倒置のような高度な構文は、2級では無理に使わなくてかまいません。使うなら、主語と動詞の一致、時制の統一、冠詞の有無を最後に必ず確認してください。詳しい言い換えの練習法はパラフレーズのコラムでも紹介しています。
むずかしい言葉はいらないよ。知っている言葉で、文章とちょっとちがう言い方にするのがコツ。たとえば「many people」を「a lot of people」にするだけでもいいんだ。
5. よくある失敗と直し方(Before → After)5. よくあるまちがいと直し方
添削で繰り返し見かける2級特有のミスを、直し方とセットで挙げます。
- 自分の意見を足してしまう。
Before: I think bike-sharing is very useful for everyone.
After: (この文を削除し、原文にある「都市が規制を始めた」を書く)
要約に筆者以外の意見が入ると、内容の観点で「原文にない情報」として扱われます。意見論述との切り替えを意識しましょう。 - 具体例をそのまま残す。
Before: Some people leave bicycles on narrow sidewalks.
After: Badly parked bicycles can be dangerous for pedestrians.
例そのものではなく、例が示している問題を書きます。 - 語数が足りない(例:38語)。
足りない原因はほぼ「段落を1つ落としている」ことです。3段落それぞれの内容が入っているかを確認し、抜けた段落の要点を1文足します。形容詞や副詞を増やして語数を稼ぐのは逆効果です。 - 接続詞がなく、文が並ぶだけ。
Before: Bike-sharing reduces pollution. Some bicycles are stolen.
After: Bike-sharing reduces pollution. However, some bicycles are stolen, which costs companies money.
良い点と問題点の切り替えには However を入れます。逆接がないと読み手は話の向きが変わったことに気づけず、構成の評価が下がります。 - 1文が長すぎて文法が崩れる。
and で3つ以上の節をつなげた文は、主語と動詞の対応が崩れがちです。1文は最長でも20語程度にとどめ、それ以上なら2文に分けます。
語数の数え方や範囲を外れたときの影響は語数のコラムで詳しく説明しています。
よくあるまちがいは、「自分の考えを書いてしまう」「例をそのまま写す」「みじかすぎる」の3つ。みじかいときは、3つのまとまりのどれかが抜けていないか見てみよう。
6. 本番の手順と時間配分(15分モデル)6. テストのときの順番
- 通読(2分): 辞書なしで一気に読み、「何の話か」「良い点か問題点か」を段落ごとに日本語で一言メモする。
- 要点の抽出(3分): 各段落の先頭文に線を引き、for example / such as 以降を「例」として括る。括った部分は書かない。
- 下書き(6分): 3文の型で書く。1文目は導入、2文目は利点、3文目は However から始めて問題点と結び。
- 語数カウント(1分): 数えて45〜55語に入っているか確認。少なければ抜けた要点を足し、多ければ形容詞と重複表現を削る。
- 見直し(3分): 三単現の s、時制、冠詞、スペル、原文丸写しになっていないか。
ここで15分を守れると、意見論述に25分程度、読解とマークの見直しに残りを使えます。要約に時間をかけすぎて意見論述が尻切れになるのが、2級でいちばん惜しい失点パターンです。
読む →大事なところに線→書く →数を数える →見直す。この順番を15分でできるように練習しよう。
7. 準1級・1級との違い7. ほかの級とのちがい
級が上がると、変わるのは語数だけではありません。2級は「3段落を3文に」という対応がほぼそのまま使えますが、準1級(60〜70語)では原文が賛成・反対の対比構造をとることが多く、両方の立場を落とさずに、かつ具体例を抽象的な語(economic benefits, safety concerns など)に置き換える力が要ります。1級(90〜110語)では原文が300語前後・4段落程度と長くなり、主張と根拠、反論と再反論という論理の骨組みを保ったまま圧縮する必要があります。
2級で身につける「段落ごとに要点を1文にする」「具体例を捨てる」「However で切り替える」という基本は、上の級でもそのまま土台になります。
準1級や1級になると、文章が長くなって、書く語の数もふえるよ。でも「まとまりごとに1文」のやり方は同じだから、2級でしっかり覚えよう。
8. 明日から始める4週間の学習プラン8. 4週間の練習プラン
要約は「書いた数」より「書いて直した数」で伸びます。1本を丁寧に添削して直すサイクルを、週3本のペースで回す計画です。
- 第1週(要点抽出): 英文を読んで、各段落の要点を日本語で1行ずつ書く練習だけをする。英語で書かなくてよい。「例」と「主張」を見分ける目を作る週。
- 第2週(3文の型): 第1週の日本語メモを、3文の英語にする。語数は気にせず、However と which を使って3文をつなぐことに集中する。
- 第3週(言い換え): 書いた要約の中で原文と同じ表現に印をつけ、1文につき1か所は別の表現に変える。言い換えノートを作って蓄積する。
- 第4週(時間と語数): 15分を計って通しで解き、語数を45〜55語に収める。解いた後は必ず4観点で振り返る。
練習用の原文が手元にないときは、練習をはじめるから2級を選ぶと、AI が2級レベルの原文を生成し、書いた要約を4観点で添削して模範解答も返します。どの観点で点を落としたかを毎回確認し、次の1本で同じ観点を意識して書く繰り返しがいちばん効きます。
1週目は日本語で大事なところを書く。2週目はそれを英語の3文にする。3週目は言い方をかえる。4週目は時間をはかってやってみよう。AIに見てもらうと、どこを直せばいいか教えてくれるよ。
9. まとめ9. まとめ
- 2級の要約は150語前後・3段落の原文を45〜55語、3〜4文にまとめる問題。
- 「3段落=3文」の型で書き、具体例は捨てて、その例が示す意味だけ残す。
- 語彙は教科書レベルで十分。原文の丸写しを避け、確実に使える表現に置き換える。
- 自分の意見は書かない。良い点と問題点の切り替えには However を入れる。
- 15分で解く手順を固め、書いた要約を4観点で振り返って直すサイクルを回す。
3つのまとまりを3つの文に。例は書かない。自分の考えも書かない。この3つを守れば、2級のまとめはこわくないよ!